
2025/3/16修正して更新
メトホルミン(Metformin)は、主に2型糖尿病の治療に用いられる経口血糖降下薬です。
以下はメトホルミンの主な効果と作用メカニズムです。
●血糖値の低下
・空腹時血糖値と食後血糖値の両方を下げる効果があります。
・インスリン分泌を刺激することなく血糖値を下げるため、低血糖のリスクが比較的少ないです。
●インスリン抵抗性の改善
筋肉や肝臓などの細胞がインスリンに対して敏感になり、血糖の取り込みが良くなります。
●肝臓での糖新生(糖の産生)の抑制
肝臓が過剰にブドウ糖を作り出すのを抑えます。
●体重増加の抑制、または体重減少効果
他の糖尿病薬と比較して、体重増加を引き起こしにくいです。
●心血管リスクの軽減
長期使用で心血管系の合併症リスクが減少する可能性があります。
●2型糖尿病の第一選択薬
●インスリン抵抗性が強い肥満型糖尿病患者
●他の糖尿病治療薬との併用療法(DPP-4阻害薬、SGLT2阻害薬、インスリンなど)
●胃腸障害(吐き気、下痢、腹痛など)
●乳酸アシドーシス(まれだが重篤な副作用)
●ビタミンB12の吸収障害(長期使用による)
●食欲を抑える作用
・メトホルミンは一部の人で食欲を軽減することがあります。
・特に「食後の満腹感を強く感じる」ことで、摂取カロリーが自然に減る場合があります。
●インスリン抵抗性の改善
・肥満はインスリン抵抗性と関連しています。
・インスリン抵抗性が改善されることで、体が脂肪をため込みにくくなります。
●脂肪代謝の改善
メトホルミンは脂質代謝を改善し、体脂肪の蓄積を抑える可能性があります。
●血糖スパイクの抑制
血糖値の急上昇と急降下が抑えられることで、過食の衝動を減らせることがあります。
●平均的には2〜3kg程度の体重減少が報告されることがあります(数ヶ月〜1年で)。
●効果には個人差が大きく、「全く痩せない人」もいれば「5kg以上減量する人」もいます。
●あくまでサポート的効果であり、「メトホルミンだけで痩せる」わけではありません。
処方薬である | 医師の診察・処方なしに使用するのは違法かつ危険です。 |
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副作用がある | 吐き気・下痢・低血糖(他薬併用時)・乳酸アシドーシス(まれ)など。 |
健康体には不要 | 健康な人が無理に飲むと体調を崩すリスクがあります。 |
継続が必要 | 飲むのをやめると体重が戻るケースもあります。 |
●BMIが高め(肥満傾向)で、インスリン抵抗性がある人
●多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)に伴う肥満の人(※PCOS治療薬としても用いられます)
●血糖値が高めの境界型糖尿病(予備群)
メトホルミンはダイエットに「副次的な効果」があることは事実ですが、減量薬ではありません。
自己判断での使用は危険です。